99年のアルバムです。ようやくありきたりなアレンジをやめて工夫するようになっています。John Coltraneへのオマージュ作品ですから下手な事は出来ないでしょう。スパイ映画系アシッドジャズになっています。やはりアレンジの問題のようで、歌はシンプルでもアレンジがかっこよければ文句ありません。これまでは打ち込み担当の夫のPeter Daouの怠慢だったのかもしれません。
1. Passed
2. I Cry For You
3. Deviate
4. Inner Space
5. A Thousand Licks
6 . The Word
7. Snake Charmer
8. Liquid Fire
9. Unbecoming
10. Trane Tripping
トリップホップやドラムンベースのリズムを使いながらもラテン系のノリでジャズへアプローチした打ち込みになっています。結果、洗練されてシンプルになっているというのは良い展開だと思います。ジャズ色を出した方がいい具合にまとまっていると思います。スウィング感はありませんが、フューチャージャズとしては問題ありません。
アレンジが渋く決まればVanessa Daouの歌も活かされてきます。90年代の終わりの作品ですから、いろんなアーティストが次を見据えていた時期でもあり、この原点回帰しながらも進化した姿は歓迎すべき作品だと思います。ジャズは死んだと言われていた時期でもありますが、こうして新しい形に昇華していくのはアリだと思います。
Passed