アメリカのミュージシャンPaul Dickowの一人プロジェクトStrategyの2003年のファーストアルバムです。DJやプロデューサー、他のプロジェクトなど独自の活動をやっています。
音楽的にはエレクトロニカであり、サンプラーを活用しており、ブレイクビーツのようでもありますが、音響派な一面もあるので、この時期流行っていたエレクトロニカの類です。
1. Fuck It, Baby
2. Oakland
3. Delicious
4. Splash
5. Reanimated 1
6. The Sea Is So Cold
7. 15
8. Illegible
9. Strut
主にデジタル配信していて、この後Community Library labelを立ち上げていきます。新しい時代に適した戦略的ミュージシャンと言えるでしょう。
音楽的には新しいところはありません。サンプリング、電子音を使ったブレイクビーツのビートを細分化したようなスタイルです。ブレイクビーツと違うのは、一つのビートにこだわらず、複数のループを重ねたアレンジで、音響派のように音の分配にも気を配っている、つまり当時のエレクトロニカそのものです。
ブレイクビーツのような衝撃性はありませんが、2000年初期の頃にはこのスタイルが流行っていました。ここからフォークトロニカのような流れになっていきますから、分岐点のような時期でした。彼はDJでもあるので、ある程度踊れるようなビートになっています。しかし熱狂出来るようなビートではありません。とてもクールです。
The Sea Is So Cold