直立猿人という邦題で御馴染みのチャールズミンガスのリーダーシップをとった第一弾アルバムになります。この第一弾からミンガスの独特な唯我独尊の世界が展開され、
ジャズの歴史の中でも問題作としてその名を残す名盤となりました。
1. Pithecanthropus Erectus
2. A Foggy Day
3. Profile of Jackie
4. Love Chant
タイトル曲のPithecanthropus Erectusは直立歩行を始めた猿人をテーマにした一種の標題
音楽。「進化」から始まって、「優越感」「衰退」「滅亡」へと至る四部作になっており、まるでプログレのような感覚で創られています。ミンガスはベーシストでありますが、モンク同様作曲者でもあり、スタンダードとまではいきませんが、数々の名曲を世に出しています。曲のテーマは彼の自己主張とユーモアが混じっており、それを表現した
音楽もユニークなものになっています。Pithecanthropus Erectusもこれまでの
ジャズには無い表現がとても格好いいのです。
ガーシュインのA Foggy Dayでは管楽器を効果音的な使い方をしていてとても斬新です。時はハードバップ全盛の時代でありますが、ミンガスの
音楽はその中に属しながらも独自のスタンスを持っています。
ジャズのアルバムなのに4曲しかないというところに既にプログレ的なセンスが潜んでいます。
モード
ジャズやフリー
ジャズに比べるとミンガスの
音楽は主張がはっきりとしているので、とても分かり易いものだと思います。どこに辿り着こうとしているのか不明なマイルスに比べるととてもはっきりとしています。そういう意味でもロックファンにも入り込み易いのがミンガスの
音楽ではないでしょうか。模範的な
ジャズではありませんが、このカッコ良さは他では味わえません。素晴らしい名盤であります。
A Foggy Day
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