いよいよ本格的にフリー
ジャズを宣言したアルバムになります。マッコイ・タイナーとエルヴィンジョーンズはいるもののフレディ・ハバード、デューイ・ジョンソン、ジョン・チカイ、マリオン・ブラウン、ファラオ・サンダーズ、アーチー・シェップ、アート・デイヴィスなどのフリー系のメンバーが加わっています。
1. Ascension
2. Ascension
CDでは「コンプリートエディション」として「エディション1」と「エディション2」が収録されています。アナログでは当初、「エディション1」が収められましたが、なぜだか「エディション2」に差し替えられてしまいます。したがって「エディション1」は長い間お蔵入りになっていました。どこが違うかというと「エディション1」の方が凶暴過ぎた為の差し替えられたようです。どちらも混沌とした世界にはかわりはありませんが。
フリーというのは自由に吹いて言い訳で、調性にも縛られません。無調
音楽なのです。現代
音楽では追求されている領域ですが、
ジャズでは考えられなかった世界です。交代でソロをとるハードバップやモードでも束縛感があったプレイヤーにとっては無限の自由を手に入れた事になります。しかもこのアルバム、交代どころか同時に別々の演奏をしまくるほどの混沌ぶりです。
最初から最後まで無法状態とも言える世界です。しかしテーマは一つで、一曲のみの作品です。何らかの指示を元に演奏しているとも思われます。しかし2度と同じ演奏は出来ないでしょう。その瞬間でしか存在しない
音楽とも言えます。あまりにもそれまでの
音楽と違っていた為、発売当初から問題作とされてきましたが、コルトレーンにとっては又一つ階段を上った事を証明した作品でもあります。フリー
ジャズの世界から見るとかなりの名演であり、名盤です。
John Coltrane Interview
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