1. Two Of Us 2. Dig A Pony 3. Across The Universe 4. I Me Mine 5. Dig It 6. Let It Be 7. Maggie Mae 8. I've Got A Feeling 9. One After 909 10. The Long And Winding Road 11. For You Blue 12. Get Back
フィルスペクターはウォールオブサウンドで有名な特徴のあるプロデューサーでした。ここではウォールオブサウンドは聴けませんが、独自のオーケストレーションによるアレンジを加え何とか聴ける作品に仕上げましたが、既にここにはビートルズマジックは存在しておりませんでした。ポールが創ったLet It BeとThe Long And Winding Roadと言う名曲が何とかまともに出来上がっているに過ぎないと言う意見もあるかもしれません。当初は原点に返る為にタイトルはGet Backだったのですが、解散を予感していたためLet It Be、なすがままにと言うタイトルに変更となりました。Let It Beではビリープレストンがオルガンを弾いており、ゴスペル調の素晴らしい曲に仕上がっています。
当時はアメリカ南部の音楽が見直されており、デラニー&ボニーやCCRなどが注目されいた時代でもあり、ビートルズも何とかその感じを出したかったのかもしれませんが、チームワークが崩れていてはうまくはいきません。Two Of Usはフォークロック的な曲で結構当時を知る人には好かれている曲です。Dig A Ponyはリズム&ブルース色の強いジョンの作品でまとまりはありますが地味かもしれません。Across The Universeもジョンの作品ですが、俳句にヒントを得た歌詞といいオノヨーコ以降の作品は素晴らしい曲が多いです。 I Me Mineはジョージハリソンの曲でポールマッカトニーへの文句を歌っているワルツです。何でも思い通りにやりたがるポールの口癖は俺が,俺がだったのでその不満をぶつけています。ジョージはギターはうまい方ではなかったので、ポールの注文に応えられなかったと言うのもあるのですが、ジョージもひがみや妬み心が強く、すぐいじける所があるのです。映画の中でもとうとうジョージがスタジオを出て行って帰ってこないと言うシーンが映し出されています。
I've Got A Feelingはジョンとポールの共作です。One After 909はジョンが19歳の時に創った曲です。原点に戻ると言ってもここまでやるとはネタが無かったのでしょう。The Long And Winding Roadでフィルスペクターがつけたオーケストレーションをジョンとジョージは気にっていたのですが、ポールは気に入りませんでした。しかしそのまま発表されてしまいます。Get Backはポールが創ったシャッフル調のロックンロールで、映画の中ではスタジオの屋上で演奏されています。予告されていなかった演奏だったので近所の人の驚いた顔が映されています。今で言う渋谷ジャックみたいなものでですがその走りです。