前作から少しブランクがあってからリリースされた作品です。エイドリアンブリューと同じ時期にフランクザッパに見いだされた天才ドラマーテリー・ボジオとキーボード奏者トニー・ハイマスとのトリオ編成の作品です。
1. Guitar Shop
2. Savoy
3. Behind the Veil
4. Big Block
5. Where Were You
6. Stand on It
7. Day in the House
8. Two Rivers
9. Sling Shot
テリーボジオは片手で巧いドラマー一人分の働きをしますから、両手両足を使うと凄い事になります。しかし、このアルバムではゲートリバーブを聴かせた比較的ソリッドなプレイに徹していますので、それほど凄いプレイは聴かれません。
ベーシストがいませんが、キーボードのトニーハイマスがおそらくシンセでベースパートを弾いています。シンセ音も80年代的なサウンドが目立ちます。
しかし、ジェフベックのギターはこれまで以上に素晴らしいです。一曲目のGuitar Shopから、例のアームを持った状態でのフィンガーピッキングサウンドの構成が素晴らしいです。音色も一つ一つの音に魂がこもっております。そうなんです。ジェフベックは一音入魂なのです。一つ一つの音に魂を込めたフレーズの連なりがジェフベックのプレイなのです。ビブラート一つかけるのに徹底した音作りを準備しております。
既にここでは、現在につながるギターサウンドが完成されております。ギターインストアルバムですが、これまで以上にロックしておりますし、繊細でもあります。
アルバム全体の印象はというと、トーマスドルビーをもっとロック寄りにしたサウンド上で、ジェフベックが信じられないようなギター万華鏡を輝かせている。と表現しておきます。
アレンジこそ違え、ジェフベックのプレイはこの頃から、現在まで一貫しているように思えます。楽曲としては美しい曲が多く、80年代臭さがなければ音楽的にも素晴らしい作品になっていたでしょう。現在に至る転換期となったマイルストーン的な作品です。
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