ジェフベックとキーボード奏者ジェドリーバーによるサウンドトラックになります。
サウンドトラックなので、アルバムとしての完成度は低いかもしれませんが、ギターの可能性をより追求したサウンドが聴けます。しかし、ちょっとリバーブかけ過ぎかもしれません。
1. Jungle
2. Requiem for the Bao-Chi
3. Hi-Heel Sneakers
4. Thailand
5. Love and Death
6. Cathouse
7. In the Dark
8. Sniper Patrol
9. Peace Island
10. White Mice
11. Tunnel Rat
12. Vihn's Funeral
13. Apocalypse
14. Innocent Victim
15. Jungle Reprise
ギター以外はジェドリーバーが全てシンセやサンプラーで創っているようです。その為、ジェフベックらしからぬ面も多々ありますが、ストラトかテレキャスのナチュラルな音色もあり、いろいろ試しているのが分かります。
この時代になると、世の中には速弾きヘビメタギター野郎がたくさん出現しております。しかし、なぜそのようなギタリストには見向きもしないで、ジェフベックに魅了されるのでしょうか。私なりの回答としては、人は本来民族音楽に魅力を感じるものだと思うからです。クラシック音楽での形成された音楽理論では、半音もあわせて、1オクターブには12の音階しか存在しませんが、実際には、半音と半音の間の音程というものも存在しているのです。つまり、微分音譜といいますか、クォーターの音程です。これが民族音楽ではしっかりと理論上も存在しております。
そういう音程も取り入れた音楽がサイケデリックだったのですが、サイケデリックを自ら作り出していたジェフベックの演奏には常にその感覚が宿っているのです。バイオリンなどでは出せる音ですが、ギターではチョーキングで出せます。しかし、クォーターを意識していないと出せるものではありません。ピアノなどでは出せません。ですからクラシック音楽では無視されてきた訳です。
そういう西洋音楽理論上のスケールを早く正確に弾けるだけの最近のギタリストは聴いていてつまらないのです。しかし、ジェフベックにはそういう感覚がみについていますので、聴いていて魅力を感じるのです。ヒンズー教信者のジョンマクラフリンもその辺を追求しているギタリストです。
番外編的なアルバムですが、そんなジェフベックのギターを楽しめるアルバムではあります。
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