ロバートフィリップ卿のギターが炸裂するScary Monsters (And Super Creeps)。冒頭のIt's No Gameでは女性ナレータによる日本語のナレーションが入る。前作、前々作で確立されてきた新しいボウイサウンドが、これでもかと襲ってくる。
1. It's No Game, Pt. 1 2. Up the Hill Backwards 3. Scary Monsters (And Super Creeps) 4. Ashes to Ashes 5. Fashion 6. Teenage Wildlife 7. Scream Like a Baby 8. Kingdom Come 9. Because You're Young 10. It's No Game, Pt. 2
この時期位から始まったアメリカでのMTV。日本ではベストヒットUSAで紹介されたりしますが、全国放送ではなかったので、地方の人間にはまだまだ情報不足の時代でした。しかし、シングルカットされたAshes To AshesとFashionのビデオクリップは多くの人の目に止まり。デヴィッドボウイの認知度がこのアルバムから徐々に上がり出して行きます。それまで、ボウイの知識がなかった私の女性の友人でも、Ashes To Ashesはいい曲だと言ってくれるようになりました。デヴィッドボウイといっても知らない人が多かったですから、嬉しかったです。
そのAshes To Ashesでは、Space Oddityのメジャートム(トム少佐)が登場してきて、これまでのボウイの曲には一つの流れがある事を示しております。Up The Hill BackwardsやBecause You're Youngなどのポップな曲も含まれておりますし、Scream Like A BabyやKingdom Comeではモッズ的要素も伺い知れます。Teenage Wildlifeなどでのボウイ節もあり、Scary Monstersの強烈なイメージだけでアルバムを聴くと理解できないボウイのラビリンスに入り込んでしまう事になります。
これぐらいの質で売れてくれるとよかったのですが、次回作でかなりポップな方向性へと言ってしまいます。ちなみに、Ashes To Ashesのビデオクリップにはこのアルバムジャケットのカッコをした宇宙外生物のようなボウイを確認出来ます。ビデオクリップ集のDVDもありますので、そちらでご覧下さい。