MARCHOSIAS VAMPのラストアルバムです。ロンドンレコーディングでプロデュースは元一風堂の土屋昌巳です。彼はぶらんきージェットシティーでのプロデュースが有名です。JAPANのラストツアーではゲストギタリストとして迎えられた実力の持ち主です。
1.マスターベイション
2.生きてりゃ最高
3.モンキー・パズル
4.鳥になる時
5.TODAY~矛盾な夜
6.夢のかけ橋
7.I WANNNA TAKE YOU
8.ONE LOVE
9.NO! NO! NO!
10.水の泡
11.世界を揺らせ
このアルバムの特徴は、これまでオマケ的存在だったコミックバンドっぽさが全面に出てしまった事です。原因は少しコロッケ似の秋間氏がこれまでほとんどの曲を手がけていたのですが、他のメンバーの曲が大半を占めている事です。新しい風を入れようとしたのでしょうが、せっかくこれまで築き上げてきたイメージが台無しな状態です。
タイトルのマスターベイションからして、これまでのマルコシアスとは違います。艶やかさ、艶かしさがないのです。下ネタでも色気がなければ勃起いたしません。生きてりゃ最高も同じです。モンキーパズルはファンキーなハードロッック仕様ですが、やはりエレクトいたしません。鳥になる時も何か足りません。TODAYでやっとマルコシアスらしいサイケで淫らなグルーブが出てきます。夢の架け橋はポップ性もあり、弦も入り、いい感じです。
I WANNA TAKE YOUはハープのようなギターのアルベジオによるバラードです。ONE LOVEはブンブンベースとギターカッティングが鋭いカッチョイイ曲です。NO!NO!NO! はホーンアレンジのクリームと逝った感じでファンキーなR&Bでカッコいいです。水の泡はビブラフォンの感じがジャズっぽいサロンミュージックのような面白さがあります。世界をゆらせはさわやかながらマルコシアスらしさを維持しております。後半に救われた感じです。
これほどイメージを崩してしまったせいでしょうか、倦怠期に落ち入っていたのでしょうか。このアルバムを最後に解散となってしまいます。その後に秋間氏が出したソロアルバムが素晴らしかったので、バンドとしては限界だったのでしょう。しかし、これほどのバンドが日本にいた事を忘れないでいて欲しい。世界に出しても恥ずかしくないバンドでした。
このアルバムはアマゾンで購入出来ます。本来なら全てのアルバムが発売されていてもおかしくありません。復刻版が出るようにここにブログの詔を捧げます。
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