打ち込みを取り入れた80年代サウンドに対応した作品になっています。バンドスタイルは歌謡ロック色が強くなってきてあやふやになってきていたので、打ち込みによるスタイルも桑田のボーカルがあれば違和感がありません。内容もこれまで以上にバラエティー豊かでです。アルバムには収録されていないシングルYa Ya (あの時代を忘れない)とボディ・スペシャルIIがヒットしています。ボディ・スペシャルIIはサザンらしい曲なのでいいのですが、Ya Yaは地味な曲なのですが、チャコ同様、こうした地味で単純な曲の方が長くヒットするのです。この傾向により最近のサザンの曲はその辺のニーズにあわせた退屈な曲が多くなっています。
1. マチルダBABY 2. 赤い炎の女 3. かしの樹の下で 4. 星降る夜のHARLOT 5. ALLSTARS’JUNGO 6. そんなヒロシに騙されて 7. NEVER FALL IN LOVE AGAIN 8. YELLOW NEW YORKER 9. MICO 10. サラ・ジェーン 11. 南たいへいよ音頭 12. ALLSTARS’JUNGO(インストゥルメンタル) 13. EMANON 14. 旅姿六人衆
マチルダBABYは打ち込みを使ったアレンジで、サックスのサウンドはロキシーミュージックのようなニューウェイヴ風のサウンドになっています。赤い炎の女はフラメンコ風のスタイルになっています。かしの樹の下ではトロピカル風、星降る夜のHARLOTはレゲエ、そんなヒロシに騙されては原由子が歌いますが、後に高田みずえがカバーしてヒットさせたグループサウンズ歌謡曲になっています。ALLSTARS’JUNGOは打ち込みアフリカンリズムと言う80年代の流行のスタイルになっています。NEVER FALL IN LOVE AGAINのロマンティックなバラードになってやっといつものサザンらしい安心感が得られます。バートバカラックっぽいアレンジが心地良いです。
YELLOW NEW YORKERはスパーダーズのようなグループサウンズになっています。EMANONはシングルヒットした曲です。南たいへいよ音頭ではベースの関口和之が歌っています。あまりにも多彩な内容なのでまとまりは無いのですが、このハチャメチャ感がサザンらしい所です。MICOはチャコの海岸にも出てきますが、弘田三枝子のことですが、ジルバ風の歌謡曲になっています。時代はバンドブームに入っていきますが、サザンはサザンなりのがんばりで独自のロック歌謡を創り続けていきます。