



21世紀に入って初めてのアルバムです。前作からのポップな曲創りはしているのですが、ハードロックというか、オルタナなレベルを振り切ったノイジーなサウンドになっています。テーマも戦争や労働者といったA.R.B.ならではのテーマになっています。一時は抽象的になっていたメッセージも本来のストレートな表現になっています。
1. HARD-BOILED CITY
2. MAY DAY
3. 共犯者よ
4. NEW RED SUN
5. LOVELESS TOWN
6. DOORMAN’S BLUES
7. リターン・マッチ
8. WAVE of LOVE
9. 威風堂々
10. 17
11. P.S.ご自愛を…
かなりラフな出来上がりです。バンドサウンドを強調するように、細やかなアレンジも控えめです。ギターサウンドがかなり大音量に設定されているので、EBIのブンブンベースもはじけ具合が伝わってきません。これは内藤幸也が大きなイニシアティヴを握っている事を物語っています。曲はポップな旋律を持っているのに、ポップに聴こえないくらいにハードボイルドです。これは狙いなのでしょうが、せっかく前作で豊かな表現が出来るようになったのに台無しにされたような気持ちになります。
どんなにギターが主役の曲でも、A.R.B.は石橋凌の歌より出しゃばる音があってはいけないのです。ミキシングのより豊かなステレオの広がりがトゥーマッチなのです。まるで第三期のような飽食感です。こういうミキシングされたロックは沢山ありますが、A.R.B.には似合わないという気持ちになります。個人的な趣味かもしれませんが、若い頃より張りがなくなった石橋凌のボーカルをもっと際立たせる処理が必要だったと思います。A.R.B.の作品だと思わなければいい出来だと思いますが、ちょっと暴走し過ぎではないでしょうか。
LOVELESS TOWN
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