マイルス・イン・ザ・スカイの後のセッションが収められたアルバムです。ジャケットにはエレクトリックマイルスの重要人物ベティーデイヴィスが映されております。又Mademoiselle Marbyという曲は結婚前の名前メイブリーという名前で捧げられた曲です。
此のセッションの後に、クィンテッドのメンバーは自身のバンド結成のためマイルスの下を離れていきます。そこで集められたのがチックコリアとベースのデイヴホランドです。此のセッション以前にはミロスラフヴィトウスも招集されておりました。
1. Frelon Brun (Brown Hornet)
2. Tout de Suite
3. Petits Machins (Little Stuff)
4. Filles de Kilmanjaro
5. Mademoiselle Marby (Miss Marby)
此のセッションからはよりロック的なリズムへと近づいております。全曲マイルスの作曲というのも珍しいです。特にFilles de Kilmanjaroではラテンのフレイバーも感じられます。まだエレクトリックマイルスとしては小手調べ的な作品ですが、興味深い演奏が記録されております。
Petits Machinsではギルエヴァンスがアレンジャーとして起用されております。まだモード
ジャズ形態が引き継がれているようです。とにかく、60年代後半という時代はロックにおいても変革期でありましたが、
ジャズ界においてもマイルスという帝王による大変革が起こった時代でもあります。コルトレーンの死によりモダン
ジャズは終わったのかもしれません。しかし、マイルスの死後モダン
ジャズリヴァイヴァルが起こっておりますので、形骸的ではありますが、現在もモダン
ジャズはスタイルとしては生き残っております。しかし此の時代唯一人
ジャズの変革を求めたマイルスにより時代はジャズロック(当時は此の言葉しか存在しておりませんでした)からフュージュンの時代へと大きくシフトしていくのでした。
Mademoiselle Marbyという曲ですが、ベティーらしいソウルフルな曲に仕上げられています。ジャズには無かったベースラインです。チックコリアのプレイは明らかにハービーのものとは違います。マイルスはこれ以降いろんな人材を招集しては自身の追求しているものを具体化していく試練の旅へと身を委ねていく事となります。
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