ボクシング黒人初のへヴィー級チャンピョン、ジャックジョンソンのドキュメンタリー映画のサントラとして発売されたアルバムです。ここで聴かれるサウンドは、これまでの混沌としたエレクトリックではなく、明快なぐらいのロックサウンドです。ですから此の時代の中では一番聴き易いし、カッコイイです。曲自体もあらかじめ用意されたものではなく、ジョンマクラフリン達がロック的なセッションをしているのを聴いたマイルスがいきなり加わりジャムった録音のようです。
黒人として初めてチャンピョンになり、初めてのアメリカンドリームを手に入れた黒人。スポーツカーに乗り、白人美女を引き連れて贅を尽くした晩餐を繰り返す。彼は正に黒人の憧れでもあったのです。マイルスも勿論彼のファンで、サントラの依頼は快く承諾したのですが、多忙な為収録されていたセッションからテオマセオが編集して作品化するといういつもの手法がとられています。
1. Right Off
2. Yesternow
この2曲が映画の中で効果的に使われております。私も映画は見ましたが、ボクサーの映画に此の
音楽はかなりハマります。マイルスの
音楽はどんなに変革を繰り返しても黒人的であるのです。それが彼のアイデンティティであるかのように黒いのです。一発で黒人の為の
音楽である事が聴き取れます。又、当時のボクシングは決着がつくまで20ラウンドでも30ラウンドでも闘わせ続けます。こんな試合を続けていたら体はボロボロになる事でしょう。それでも勝ち続けるジャックジョンソンの試合は痛快です。そこへこの痛快な
音楽が又良くハマるのです。カッチョイイー。
此のセッションで大活躍しているのがギターのジョンマクラフリンです。この一言につきます。そしてドラムのビリーコブハム、ジャックディジョネットのタイトなドラムワーク。マイルスも最高のプレイをしています。正に闘う男の為の
音楽です。このセッションが後のマハヴィシュヌオーケストラ結成へと繋がります。
ジャックジョンソンの動画を用意しましたが、映画のものではなく単なるドキュメンタリーになっております。しかしジャックの凄さが伺える内容になっております。
Jack Johnson
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