1975年から1981年までの6年間、マイルスは病気療養のため不在となる。新譜を出せないレコード会社からの命によりテオマセオが未発表音源を編集して、新作のようにいくつかのアルバムを出していきます。これまでもいくつかのアルバムは紹介しましたが、残りのアルバムも紹介いたします。
このアルバムはビッチェズブリューの時代からオンザコーナーの時代にかけて録音されていた曲が並べられております。特にGreat Expectationsのサンプリングされたようなドラムフレーズとタブラの絡むミニマル的なアレンジにまとわりつくフレーズの嵐は、ウェザーリポートにより受け継がれていき、テクノやトランス、ドラムンベースにジャングルなどに通じる作風になっております。
ディスク11. Great Expectations
2. Ife
3. Recollections
4. Trevere
ディスク21. Go Ahead John
2. Lonely Fire
3. Little Blue Frog
4. Yaphet
リズムのコンセプトは今風ではありませんが、ジェームスブラウンの実験的なリズムパターンと聴き比べると面白いです。ファンクが一番面白かった時期の作風なのです。Go Ahead Johnではジャックディジョネットとビリーコブハムのドラムがそれぞれテープカットされ、フレーズサンプリングのように貼付けられるというコラージュ的なドラムパターンがブレイクビーツ的であります。70年代前半でこれだけの事をやっていたのですから驚異であります。
現在のDTM環境なら簡単に創り出せるものですが、当時はかなりの作業が必要だったはずです。ファズで歪ませたジョンマクラフリンのギターもミックスダウンの時に施しているようです。エレクトリックマイルスのアルバムの中では一番実験的なアルバムで、テクノ系のミュージシャンには大いに参考になるアルバムでしょう。私としても一番参考にさせて頂いている作品です。ある意味かくれた名盤となっております。
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