Steve Miller Band最大のヒット作です。これがピークですね。前作同様シンセサイザーを多用したスペースロックになっています。録音も同じ時期のもので、それを二つの作品に分けているようです。同じ時期にこれだけのヒット作品を二つ分も創っていたというのは驚異です。絶頂期だったんですね。二つとも捨て曲無しの大名盤ですので、ものすごい充実ぶりです。当時はポールマッカートニーが絶頂期で、その影響で、他のミュージシャンも素晴らしい作品を出していた時期でもあります。パンク登場前の創造性溢れる時代でした。
1. Threshold 2. Jet Airliner 3. Winter Time 4. Swingtown 5. True Fine Love 6. Wish Upon A Star 7. Jungle Love 8. Electro Lux Imbroglio 9. Sacrifice 10. The Stake 11. My Own Space 12. Babes In The Wood
前作同様、シンセサイザーのスペイシーなThresholdから続けて始まるJet Airlinerがシングルで大ヒットします。この曲と同じ暗いシングル性の有る曲がずらりと並んでいます。Jungle Loveもシングルヒットしますが、私はこの曲が一番好きです。SwingtownもTrue Fine Loveもポップなシングル向きな曲ですが、重苦しいWinter Timeが冬将軍という邦題でシングルカットされました。私はこの曲から初めて冬将軍という言葉を憶えました。
やっぱりカントリー的なほのぼのとした歌い方ですが、Winter TimeやWish Upon A Starのような重苦しいスローな曲もあります。しかし全体的にはポップです。この時期のロックンロールナンバーは、どれもパクリ精神溢れる感じで、イカサマっぽさも有るのですが、憎めない心地良さがあるのです。どこかで聴いた事がある。それがポップの必要条件ですから、これは正統なポップアルバムなのです。この後に始まるアメリカンプログレブーム前哨戦のような響きも持っています。文句無しの大名盤です。