蒼天とは漢の事である。三国が出来る前は、まだ漢の時代だったのだ。一般の三国志を知っている人には、この蒼天航路は、いったい今はどこの話なのだろうという思考が必要になってくる。史実的なものはしっかりと踏まえているのだが、そのアレンジの斬新さは、まさにROCK'NROLLなのである。
まず劉備においては、おっちょこちょいで、女好きで、第六感だけがやたら効くというキャラクターになっている。これは、漢の始祖、劉邦に似せて描かれていると思われる。皇帝になる男、自分を救うために自分の子供を平気で捨てていく描写があるが、これは劉邦の逸話である。
そして、もっとも凄いキャラクターで描かれたいるのが呂布である。北方の民なのに、ドレッドヘアーなのである。これは、プロデビュー当時の須藤元気をモデルにしたのではないかと思われる。そしてドモルのである。今でこそ中国の標準語は北京語であるが、当時は何を標準語としていたのだろうか。中国は広いので、出身が違えばまるで違う言葉のはずである。そして呂布の思考よりも、まず斬りつけるという性格からして、ドモルというのは現実味がある。普通に喋って通じているほうが不思議なのである。
それから、諸葛亮孔明に至っては中性的なキャラクターとなっている。一人一人の武将のキャラクターまでもしっかり描かれていて、もの凄い勢いで物語が進んでいく。前半の見所は、圧倒的な強さを示す、董卓、呂布をいかに無きもにするかであるが、小説では、チョウセンという架空の女性を取り合わせて、仲間割れさせていくのであるが、蒼天航路でもその手段がとられている。
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