

スプリングスティーンの大ブレイク作品です。このアルバム以降はスター街道をまっしぐらに突き進んでいく事になります。サウンド的にはこれまでやってきた事を突き詰めたような内容ですが、完成度が高いのです。Rosalitaのヒットで、注目を集めるようになり、そして間髪入れずにこのアルバムを出してからは人気が爆発する事になります。ジャケットからもテレキャスが彼のトレードマークになりますが、佐野元春がこのジャケットを真似するなど、日本でも人気が広がっていきます。
1. Thunder Road
2. Tenth Avenue Freeze-Out
3. Night
4. Backstreets
5. Born To Run
6. She's The One
7. Meeting Across The River
8. Jungleland
Thunder RoadとJunglelandは佐野元春がロックンロールナイトで思いっきりパクっていますが、これまでもあった途中ピアノによるドラマティックな流れにサックスが泣き叫ぶと言うパターンですが、ここにきて曲としての完成度が思いっきり高まっています。そして彼の人気を決めた決定版、彼の最大の代表曲となるBorn To Runの格好良さは別格です。フランキーゴーズトゥハリウッドもカバーしていますが、それに比べると、いかに彼がルーズな歌い方をしているかが分かると思います。正に気持ちで歌っているのです。リズム&ブルースのファンキーなTenth Avenue Freeze-Outもカッコいいです。
彼の曲の構成はボブディランのブロンドオンブロンド辺りの影響があり、プログレでもないのに曲が7分から9分くらいあり、グルーヴが早くなったり、遅くなったりと盛り上げまくり、言葉を一杯詰め込んでいます。そしてこのアルバムでの完成度の高さとして加わっているのが、フィルスペクターのウォールオブサウンドをアレンジの中に付け足している事です。その事によって、ポップでありながら疾走感もある、新しいアメリカンロックが誕生したのです。捨て曲無しの彼の最高傑作ともいえる歴史的名盤です。
Thunder Road
Tenth Avenue Freeze-Out
Night