1. Heartattack And Vine 2. In Shades 3. Saving All My Love For You 4. Downtown 5. Jersey Girl 6. 'Til The Money Runs Out 7. On The Nickel 8. Mr. Siegal 9. Ruby's Arms
タイトル曲のHeartattack And Vineは歪んだギターのブルース的な作品で、これからのトムウェイツのスタイルとなっていく片鱗を伺わせます。In Shadesはオルガンジャズのインストもので、もう少しビートがあればアシッドジャズにもなり得る曲です。基本はこれまでのようにジャズなのですが、デルタブルースのような作品もあり、ロック色が出てきています。かと思うと Jersey Girlのようなカントリーフォークのような曲もあります。ブルーススプリングスティーンがカバーしたり、映画に使われている曲でもあります。
トムウェイツの曲は映画音楽として使われる事が多くなり、この後からは彼自身も大きく映画と関わっていきます。そしてそれは音楽的にも大きな変貌を遂げる事になります。ですからこのアルバムまでが初期の作品と言えますが、この後の作品が好きな人も気に入っていただけるだけの要素を既に持っています。 'Til The Money Runs Outはブルーススタイルですが、ほとんどロックンロールと言ってもいいくらい激しいバイブを持っています。パンクロックよりもアナーキーな生き様を感じさせます。On The Nickelではおなじしゃがれ声でも、様々な表情を魅せて、彼の歌唱力の素晴らしさを堪能出来る名曲になっています。