このアルバムも77年の作品です。ジャズミュージシャンは、セッションごとに録音しているので、同じ時期に沢山レコーディングしている訳です。このセッションでのメンバーはEric Gale、Steve Forman、Abraham Laboriel、Harvey Mason、Patrice Rushenで、ドラムのHarvey Masonは欠かせないメンバーになっていますが、今回はDave Grusinがいないので、メロウさよりもファンキー度が増しています。
1. Sugar Loaf Express
2. Morning Glory
3. That's The Way Of The World
4. Slippin' In The Back Door
5. Tomorrow
6. Lady Soul
リーリトナーはウェストコーストを代表するミュージシャンですが、Eric Galeのようなニューヨーク系のミュージシャンとも交流しています。その為か、今回はファンキーなリズムが多くなっています。
フュージュンの原型であるジャズロックの定義はジャズとロックと
ファンクの融合でしたから、ファンキーであるというのも大事な要素なのです。黒人
音楽としてのジャズは、本来踊る為の
音楽であり、ビバップ以降、頭でっかちになりがちだったモダンジャズから、本来の踊る為のジャズを取り戻そうとしたのがソウルジャズであり、ハードバップでしたから、ジャズロックからクロスオーバーに至までに取り入れたポップな要素として踊れる
音楽への回帰も大事な定義だったのです。
そういう意味でも、このアルバムでの演奏はテクニックに走るというよりは、ノリを、グルーヴを大事に演奏されているように感じます。演奏も短いパッセージをつなぎあわせたようなもので、長尺のエンタープレイは控えているようです。ほとんどカッティングに近い性格をもったフレージングなので、自然と体が動き出しそうになります。ディスコブームの時代でもあったので、踊れるという要素は、そのまま売れる
音楽となったのです。それでいて軽薄ではないインテリジェンスも含まれているのがクロスオーバーなのです。
Sugar Loaf Express
Morning Glory
That's The Way Of The World