スタジオミュージシャンからクルセダーズの正式メンバーとなって、名前が知られ始めたラリーカールトンがクルセダーズを脱退してソロ活動をスタートさせた記念すべきアルバムです。73年の作品であり、ここでもまだクロスオーバーにはなっていません。ジェイムステイラーのようなシンガーソングライターのように、歌を歌っています。さすがにクルセダーズにいただけあって、南部の感じがするサザンロックポップスになっています。
1. Easy Evil
2. I Cry Mercy
3. One More Chance
4. With Respect To Coltrane
5. American Family
6. Wavin' And Smilin'
7. Captain, Captain
8. Free Way
歌を歌っているポップス作品でありながら、ギタリストとしても、そのテクニックを見せつけるような内容の為、ポップスとは呼べない感じでもあります。ギターを多重録音させてハモらせたり、ギターサウンドを極めようとしているところは、この後は少なくなりますので、ギタリストとしては、このアルバムが一番面白いかもしれません。A.O.R.な響きも既にありますが、泥臭い感じがあるので、洗練されていない、ロックファンに取っては心地よさがあります。次のアルバムからはクロスオーバーになりますので、このアルバムが一番好感が持てると思います。
ギターのプレイスタイルはロックギタリストになっており、曲調はレオンラッセルのような南部発のポップスというサザンロックの黄金時代らしい作品です。ボズスキャッグスの初期の頃の作品にも似ているでしょうか。シンガーとしても悪くありません。この路線を進めなかったのは、時代の流れというものもあったかもしれませんが、こんな素晴らしい作品をもう少し続けてほしかったと思います。今となっては忘れ去られているくらいの作品ですが、かなりの名盤です。
Easy Evil
With Respect To Coltrane
American Family