

81年の作品で、80年代に入ると、ジャズ界でも新しい逸材が現れてきます。このアルバムでも80年代になってから脚光を浴び始めたデイヴィッド・サンボーンやスティーヴ・ガッドなどが参加して、これまでよりも、より深みのある
フュージュンサウンドを追求しています。80年代になると流行はソフト
フュージュンであり、その影響はラリーカールトンにも及んでいますが、そういう中でも結構アグレッシヴなプレイが楽しめます。
1. Last Nite
2. Blues Bird
3. Song For Katie
4. Frenchman's Flat
5. Sleepwalk
6. Upper Kern
7. 10:00 P.M.
8. You Gotta Get It While You Can
ラリーの主要な武器はギブソン335で変わりはありませんが、このアルバムではストラトキャスターなどのシングルコイル系のギターも使い分けて、ギターの音のバリエーションを広げている工夫が目立ちます。80年代の流行の音としてストラトのハーフトーンやベースではチョッパーベース、またはチョッパーをサンプリングした音だったりしますが、そういう音も目立ちます。つまり、流行の音はしっかり使っていますが、その中でもブルースインプロビゼーションな演奏を展開しています。
サウンドは
フュージュンであっても、ロックファンにも満足させられるようなギタープレイこそがラリーカールトンの魅力であり、リーリトナーには無い部分を多く持っています。その事を一番強く感じさせてくれる作品だと思います。
フュージュンサウンドをしっかり構築しているのにロックファンからしても、遠い感じの
音楽にはなっていないのです。このニュアンスはリーリトナーには到底真似できないものでしょう。素晴らしい名盤です。
Last Nite
Blues Bird
Song For Katie