83年の作品で、ヒット作品を連発していたWarner Bros.からMCAへ移籍してからの作品になります。ここからラリーカールトンの全盛期は終わっていくのですが、
音楽的にはより熟成されていきます。サウンドもがらりと変わり、シンセのシーケンスを使ったりしているのに生オーケストラやビッグバンドも使ってレンジ幅の広いサウンドを生み出しています。より進化したサウンドが出来上がっています。
1. Breaking Ground
2. South Town
3. Tequila
4. Blues For T.J.
5. Song In The 5th Grade
6. Crusin'
7. L.A., N.Y.
8. Friends
ギターもかなり多重録音していたりと、楽曲の完成度を追求している作品です。ですからライブではあまり聴けないような曲が揃っています。それだけアルバムとしての価値は高いものになっていると思います。曲の完成度を追求はしていますが、それ以上に演奏としてのクォリティも半端無いくらいに素晴らしいものになっています。しかし、時代の音とは少しずれているので、売り上げ的にはいい結果は得られていません。それだけ隠れた名盤だと思います。これまで売れていた作品よりも断然出来映えはいいのです。
曲の完成度は高いですが、小難しい作品ではなく、ユーモアもあり、緊張感と緩いところとのバランスも素晴らしく、有名なTequilaのカバーでのアレンジもかっこいいです。アコースティックギターも使ったりと、使用している楽器編成は多いのですが、部分的に使っている楽器を振り分けているので、重苦しく聴こえません。このアレンジでの巧妙さも見事です。文句のつけようが無いくらいに素晴らしい作品です。彼の代表作ににするべきと言えるくらい素晴らしい名盤です。
Breaking Ground
South Town
Tequila