79年の作品で、前作に引き続きRoy Thomas Bakerがプロデュースしています。ジャケットも前作とは色違いな感じになっていて、まるで姉妹品のようですが、ドラマーがAynsley Dunbar からSteve Smithに代わりました。このメンバーで黄金時代を迎える事になるのですが、Aynsley Dunbar がいたから多少はジャーニーも面白いと思っていたファンに取っては、ここからの売れまくりジャーニーは物足りなくなっていきます。
1. Majestic 2. Too Late 3. Lovin', Touchin', Squeezin' 4. City Of The Angels 5. When You're Alone (It Ain't Easy) 6. Sweet And Simple 7. Lovin' You Is Easy 8. Just The Same Way 9. Do You Recall 10. Daydream 11. Lady Luck
バラード向きの声を持ったSteve Perry が入った事によって、バラード曲が多くなっていきます。それは曲としては良いのですが、アルバムを通してバラードばっかりというのは、これまでのロックバンドにはなかった事なので、女性ファンは増えましたが、男性ファンからは敬遠されていくようになっていきます。Neal Schonも増々バンドアンサンブルを重視したギターしか弾かなくなっていきますので、もはや彼のギターに期待するギターファンはいなくなっていきます。それでもアメリカで売れるという事は、相当なビッグマネーを手に出来ますので、悪魔に魂を売ってでもこのスタイルを死守していきます。これこそが商業ロックバンドたるジャーニーの誕生なのであります。
Aynsley Dunbar の脱退と共に、彼らはパンクロックの攻撃の的となるべきバンドへと急成長していきます。ただ、Roy Thomas Bakerは良い仕事をしていて、クィーンのようにドラマティックに盛り上がるような構成に仕上げています。単なるポップバンドではなく、アメリカンプログレバンドだからこそ出来る、シンプルでありながらも広がりのあるサウンドを生み出しています。彼らの創るバラード曲は、この後のアメリカンロックでのバラード曲の基礎となるもので、復活後のエアロスミスのバラード曲も彼らの手法で作曲されるくらいで、今ではありきたりなバラードになっているのですが、その先駆者が彼らです。バラードのヒット曲は多いですけれど、それが中心になっているという、これまでのロックバンドでは考えられないような構成で成功してしまった、あまりよろしくない前例を作ってしまいました。日本では徳永なんじゃいろというのもいますが、そんな感じです。