

78年のセカンドアルバムです。前作から2年経っています。当時は2年は相当なブランクであり、ファーストが売れすぎたので次が出せないでいると心配していたのですが、前作と同様のクォリティで、このアルバムもヒットさせました。売り上げでは前作には及びませんでしたが、初の全米ナンバーワンに輝いています。完全主義だった故に時間がかかりすぎていたようですが、この後は活動停止してしまうので、一発屋にはなりませんでしたが、二発屋となりました。
1. Don't Look Back
2. The Journey
3. It's Easy
4. A Man I'll Never Be
5. Feelin' Satified
6. Party
7. Used To Bad News
8. Don't Be Afraid
タイトル曲のDon't Look Backがシングルで大ヒットしました。前作以上の出来映えで、なぜか当時はm7thのテンションコードを使ったヒット曲が多かったと思います。ダイアーストレイツの悲しきサルタンもそうでした。ロックでテンションを使うならm7thがぎりぎりロック色を無くさないでかっこ良く決められるコードだと思います。9thもファンキーになってしまいますが、これも大丈夫でしょう。フュージュンの影響で、マイナーかメジャーコードしか使っていなかったロックでもテンションを使いだすようになった時代でした。
これだけの曲を最初から創れていたのですから、この後も大いに期待されていたバンドでしたが、しばらく作品を出す事もなく時が過ぎていきます。Tom Scholzは曲作りよりも、ギターなどの楽器を発明しては食いつないでいます。アルバムからも相当な印税が入っていたので、新作を下手に出すよりは沈黙を守った方が、完璧主義者の彼に取っては美学だったのかもしれません。ボストンはポップでありましたし、大ヒットした事によって他の産業ロックのようなイメージもありましたが、他のバンドとは違って、ハードロックファンからも認められるくらい好まれていました。この後同じようなサウンドを連発していたら評価はもっと低かったかもしれませんが、この2枚までのアルバムだけでちょうど良かったのかもしれません。このアルバムも名盤です。
Don't Look Back
The Journey/It's Easy
A Man I'll Never Be