

81年の作品で、より絶望的でダークな世界観が創られています。メンバーは再び三人になって、Robert Smithがボーカルの他にギター、キーボード、ベースを担当しています。Simon Gallupのベース、Lol Tolhurstのドラムだけですので、どうしてもベースが曲の根幹をなしていて目立っています。ギターは浮遊感があって、後のU2やエコバニのようなバンドのスタイルの元になっています。
1. The Holy Hour
2. Primary
3. Other Voices
4. All Cats Are Grey
5. The Funeral Party
6. Doubt
7. The Drowning Man
8. Faith
プロデュースはバンドの他にMike Hedgesが担当しています。イギリスではPrimaryがシングルヒットして、日本ではまだまだ知る人ぞ知るバンドでした。リズムはこれまでのようなテクノビートから、複雑なビートも取り入れるようになり、バンド独自の世界観が徐々に固まってきています。一般的にはまだまだ暗い
音楽はバカにされていた時代でしたが、特にイギリスなどのヨーロッパでは明るい方が虚構であり、現実には暗い日常と向かい合っている人が多くいましたので、こういう
音楽は社会的にも浸透していきます。
しかし、幸せな人間がこんな
音楽を創ろうと思っていたら、相当苦労します。どんなにマイナーなコードを使っても暗い曲を創るのは簡単な事ではありません。選ばれた人間のみがこの暗い世界観を創りだせるのです。又、こんな音が売れるとはレコード会社も思っていませんが、
パンク以降はそういう概念が崩れていたので、こういうバンドが出てきたのです。
音楽は夢や希望を与えるだけではないのです。絶望と向き合う勇気も時には必要なのです。
The Holy Hour
Primary
Other Voices