2000年の作品で、前作では売り上げが落ち、バンド内もゴタゴタしていたので、このアルバムで解散する予定で制作されたアルバムです。最後と言う事で彼ららしい内向的な内容になっているのですが、ファンにとってはこのスタイルこそが求められていたので、予想以上にこの作品は売れました。そうすると気が変わったのか、Robert Smithは解散を撤回して、まだやれそうだとバンドを存続する事を決めました。最初からこの路線が一番受けると言う事を自覚しておけば良かったのに。
1. Out Of This World
2. Watching Me Fall
3. Where The Birds Always Sing
4. Maybe Someday
5. The Last Day Of Summer
6. There Is No If...
7. The Loudest Sound
8. 39
9. Bloodflowers
アコースティックとサンプリングループなど、2000年らしいアレンジも入っていますが、世界観はいつものCUREであり、Disintegrationのような静かな優しさ、儚さをもったサウンドになっています。この作品も売り上げが落ちていたらそのまま解散していたかもしれませんが、予想を覆して売れた為に、まだやれるし、新しいアイデアも枯渇していない事を確信したRobert Smithは解散宣言を無かった事にします。ちゃっかりしていますが、彼にとってCUREと言う世界観を無くしたら、表現する場所が無いのも現実でしょう。
CUREと言うバンド名ですが、治療とか医療と言う意味がありますが、もう一つの意味で奇人、変人と言う意味もあります。どちらの意味もこのバンドには似合っていると思います。太ってしまったRobert Smithはまるでドラえもんのようですし、サイケデリックなサウンドは絶望的でもありながらヒーリング的な響きも持っていると思います。特にこのアルバムのようなサウンドはダークでありながらも救いの光は見えています。初期の頃のようなエレクトリックなサウンドも効果的で、見事な名盤に仕上がっていると思います。
Out Of This World
VIDEO Watching Me Fall
VIDEO Where The Birds Always Sing
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