92年の作品で、EPサイズですが、Nine Inch Nailsの印象を決定づけるような強力な内容になっています。テクノ名の作品はEPでもあなどれないのです。プロデューサーはTrent ReznorとFloodで、ほとんどのパートをTrent Reznorが手がけて、他は生ドラムでMartin AtkinsとChris Vrennaが参加しているだけです。これでNine Inch NailsはTrent Reznorだけがいれば良いと言うのが認識されます。バンドではなく、プロジェクト名なのです。
1. Pinion 2. Wish 3. Last 4. Help Me I Am In Hell 5. Happiness In Slavery 6. Gave Up 7.〜97. Silent 98. Physical 99. Suck
ファーストアルバムにはあった80年代シンセポップな要素はなくあんり、完全に90年代ならではのサウンドになっています。アグレッシヴにインダストリアルしており、爆音ギターはIndustrial metalと呼ばれますが、グランジ以降の90年代サウンドがここに確立されています。Happiness in SlaveryとWishをシングルヒットさせて、アルバムとしても大ヒットさせています。無音状態の隠れトラックの後にボーナストラックが入っていますが、この隠れトラックとか、無音状態が延々続くようなCD時代の変な様式だけは馴染めません。無くて良い機能です。
演奏のテクニック的にはシンプルなのですが、凶暴なくらいカチッとリズムが揃えられた演奏はライブでは迫力がありますが、完全に打ち込みであり、ギターもサンプリングです。今ではタネもはっきり見極められますが、当時はセンセーショナルなくらいに衝撃的なサウンドでした。ドラムパターンがメタルしていますが、ビッグビートと方法は変わりません。生演奏している演奏もシンプル故にリズム感が命であり、打ち込みと共演する事によって90年代の作品はリズム感がよい作品が多くなっています。80年代のジャストなリズムの気持ち悪さとは違います。四課kリグルーヴが出来上がっています。Nine Inch Nailsの代表作となる名盤です。