59年の作品で、白人ドラマーのBuddy Richとのドラム対決アルバムです。レーベルはMercuryで、プロデューサーはJack Tracy。他のメンバーはサックスのPhil Woods、Stanley Turrentine、トロンボーンのWillie Dennis、Julian Priester、トランペットのTommy Turrentine 、ベースはBobby BoswellとPhil Leshin、ピアノがJohn Bunchです。
1. Sing, Sing, Sing (Previously Unissued, Alternate Take)
2. Sing, Sing, Sing
3. The Casbah
4. The Casbah
5. Sleep
6. Figure Eights
7. Yesterdays
8. Big Foot
9. Big Foot (Previously Unissued, Alternate Take)
10. Limehouse Blues
11. Limehouse Blues (Previously Unissued, Alternate Take)
12. Toot, Toot, Tootsie Goodbye
曲自体はスタンダード曲ばかりですが、ドラムソロ対決が大幅にとられています。ステレオ録音なので、左にBuddy Rich、右にMax Roachのドラムを配して、相互にドラムソロを取り合って、やがて同時に叩き始めて盛り上がるみたいな感じです。ドラムが主役になる事はあまりないので、ドラムを全面に出せるだけのテクニックが必要になるのですが、それだけに耐えうるだけの二人のぶつかり合いは壮絶です。
ソロになるともう曲の構成は関係なく、好きなようにポリリズムを取り合うみたいな感じで、こういうソロが後のクリームのようなビッグブルースバンドに影響していきます。始めに
ジャズありきなのです。元々ドラムというのは、バスドラ、スネア、シンバル、タムと分かれていて、複数の人数で演奏されていたのですが、金がない黒人は何人もリズムセクションに金がかけられないので、一人で打楽器パートをまかなえるように、現在のドラムセットが考案されたのです。全てのパートを同時に演奏するのは最初は難しかったと思いますが、それが当たり前になって現在に至っています。これだけ延々ドラムソロに注目されている作品も珍しく、サンプリングネタにもなると思います。
Sing, Sing, Sing