

62年の作品で、サンフランシスコの
ジャズワークショップでのライブを収めたものになっています。この時のMax Roach Quartetのメンバーは、サックスのClifford Jordan、ピアノのMal Waldron、ベースのEddie Khanで、アナログ盤ではA面、B面1曲づつで、それぞれ20分以上の熱演になっています。変拍子を使ったり、かなりプログレッシヴな演奏が展開されていきます。
1. Speak, Brother, Speak
2. A Variation
内容的にはハードバップ、特にファンキー
ジャズのようなソウルフルな演奏になっています。Brotherなんて言っている時点でソウルフルです。マイルスがモード
ジャズを提唱するようになって、時代はモードからフリーへと変革している時代に、思いっきり黒いハードバップをより黒っぽい演奏で展開しているのは、かっこ良く聴こえます。この後
ジャズロック時代になるとファンクも取り入れてくるので、ファンキー
ジャズのようなスタイルは先見性があったのです。
普通のファンキー
ジャズはソウルフルなので、曲もシンプルで、ジャズでは珍しくシングルヒットが狙える曲が多かったのですが、このライブで展開されているファンキージャズはヒットするようなポップな内容ではなく、魂がぶつかり合うようなソウルテイストによるジャズになっています。変拍子になっていたりするので、Max Roachはかなり複雑なパターンを創りだしていて、それでいて安定感がある素晴らしい演奏をこなしています。名盤です。
Speak, Brother, Speak