62年の作品で、Impulse!レーベルからリリースされました。プロデュースはBob Thieleで、バックコーラスというか、スキャットを大々的にフューチャーした作品です。他のメンバーはトランペットのRichard Williams、トロンボーンのJulian Priester、テナーサックスのClifford Jordan、ピアノのMal Waldron、ベースのArt Davisです。Lonesome LoverではAbbey Lincolnが歌を歌っています。
1. It's Time
2. Another Valley
3. Sunday Afternoon
4. Living Room
5. The Profit
6. Lonesome Lover
コーラスアレンジはColeridge-Taylor Perkinsonで、コーラスが入る事で、またしてもフュージョン的な洗練された感じがあるのですが、演奏自体は、これまたかなり黒っぽいソウルフルな魂に溢れています。この頃のMax Roachは、かなり創作性に溢れているようで、全曲彼のオリジナル曲です。ハードバップな白熱した演奏でもあるのですが、これまでの作品よりもかなり早いパッセージで演奏されていて、心地良い緊張感に溢れています。
ハードバップの激しいソロも炸裂しているのですが、ソロも含めて、しっかり構築された内容であり、リズムも斬新ですし、マイルスとは違う進化の仕方をしています。
ジャズミュージシャンは、そもそもプライドが高く、他の演奏家とは違うと言うアプローチをする事に命をかけています。それこそが
ジャズの進化のモチベーションであり、ジミヘンやジェイムスブラウンに嫉妬したマイルスデイビスが
ジャズロックの扉を開くのですが、それ以前に、王道的な
ジャズの進化を遂げている作品になっていると思います。歴史的な名盤です。
It's Time