99年の µ-Ziq名義による作品です。又レーベルを移籍してHutなるレーベルからリリースされています。まるでMike Paradinas版 惑星みたいなサウンドで、ストリングスを多用したシンフォニックなサウンドになっています。ドリルンベースは卒業したようです。この変化について、本人はビョークからの影響を公言しています。ビッグビートのようなアレンジはありますが、ドリルンベースは微妙に避けています。
1. Scaling
2. The Hwicci Song
3. Autumn Acid
4. Slice
5. Carpet Muncher
6. The Motorbike Track
7. Mentim
8. The Fear
9. Gruber's Mandolin
10. World Of Leather
11. Scrape
12. 56
13. Burst Your Arm
14. Goodbye, Goodbye
元々、
音楽 的なアレンジを得意としていましたので、このアルバムの
音楽 性に驚く事はありませんが、既成の
音楽 を排除するような傾向にあった
テクノ 系にしては珍しいスタイルだと思います。ズシンと響くドラムサウンドはサンプリングで、本来ドラムはドラムセットを鍵盤内で打ち分けられるようにセットするのですが、バスドラならバスドラだけで全鍵盤使えるようにすると、音階が出来ます。つまり、低い鍵盤を弾くとオクターブ以上低い音のバスドラになるのです。本来避けるこういうやり方をあえて使う事で、ズドンと重低音のバスドラサウンドになるのです。
このやり方は、もはや当たり前になっていますが、当時はこれをトレードマークにしたミュージシャンが沢山いました。スネアにしてもハイハットの音も一緒に入っていたりしたら、細かく細分化した拍数に配置した時に、ドリルンベース特有のギュルルルルーンという音になるのです。これを使い回しすると編集がとても楽ですが、彼らのこだわりは、1曲にサンプリングする題材を他の曲でも使い回しはしないという事です。そのサンプリング素材から生まれるグルーヴがその曲の骨格になるからです。これを使い回しするとアルバム全体が平坦な感じになってしまいます。コンピューターミュージックは一人で完結出来ますが、それはそれは細かい作業の積み重ねなのです。ですから日本人ミュージシャンでも海外で成功する人がいます。そういう苦労を思い描きながら聴くと又別の楽しみ方が出来ます。名盤です。
Scaling
VIDEO