

Kid Spatula名義で2004年の作品ですが、内容はこれまでの未発表音源を集めたものになります。94年から98年にかけて制作されながらも没になっていたようで、それがやっと陽の目をみた形になりました。ですからKid SpatulaというよりMike Paradinasの未発表作品であり、たまたま作風としてKid Spatulaが適していたといえるのかもしれません。
ディスク:11. Housewife
2. Shistners Bassflex
3. Spacious Hallway
4. Further 2
5. Tugboat
6. P.V.
7. Local Jogger
8. Harpsichord
9. Trike
10. Residue
11. Carrier
12. Disclosed
13. Jackal
14. It Starts With Bongos
15. Squirms
16. Bobby
17. Grandwash
ディスク:21. Sad & Solid
2. Off Lemon
3. Orange Crumble
4. Detlev Bronk
5. Upton
6. Weiro
7. Peg
8. Lesque
9. Mocaseg
10. Go Ya Lo
11. Measty
12. Member
13. Mighty Softstep
14. My Piano And Me
15. Runny
16. Buttress
17. Broccoli
自身のレーベルPlanet Muを持った事で、没になった曲にもチャンスを与える事が出来たのでしょう。CD2枚組めいいっぱい入っています。内容的には陽気でひょうきんで元気な曲が多く、Kid Spatulaの作風にぴったりの曲ばかりです。未発表曲とはいっても、充分オリジナル作品として通用する破壊力があります。これがこのまま埋もれていたままだったら、それは実にもったいない話です。
ドリルンベースも全開ですし、
音楽的にもシンフォニックだったりして面白いです。このまとまりのなさが、かえってMike Paradinasらしくて好感が持てます。この時期は
テクノ系がおとなしくなっていた時期でもあり、この破壊力は威力があります。スクエアプッシャーの新作よりも面白いです。やはり90年代の頃の方がアイデアが斬新だったと言えます。2000年以降は、もうやり尽くした感があり、何をやっても新鮮味が感じられなくなってきます。それでもこの作品は新しい気持ちで聴く事が出来ます。名盤です。
Housewife