Mike & Rich名義での作品で96年にリリースされました。Mike & RichとはMike ParadinasとAphex TwinことRichard D. Jamesの二人によるコラボレート作品になっています。Richard D. JamesのRichard D. Jamesレーベルから出されています。二人とも奇才ですが、二人の特色が良く出ていて、どちらかと言うとMike Paradinasのひょうきんさが勝っていますが、処理能力はやはりRichard D. Jamesの方が上手のような気がします。
1. Mr. Frosty 2. Jelly Fish 3. Eggy Toast 4. Reg 5. Vodka 6. Winner Takes All 7. Giant Deflating Football 8. Upright Kangaroo 9. The Sound Of Beady Eyes 10. Bu Bu Bu Ba
楽器の演奏に長けているMike Paradinasによるキーボードプレイと、ビッグビートのようなフレーズサンプリングを組み合わせて実に楽しい作品になっています。ジャケットのように二人でゲーム感覚で創っているような様子が伝わってきます。サンプリング処理はRichard D. Jamesの方が長けているようで、Mike Paradinasの作品ではみられないような処理がなされています。どちらかというとGary Moschelesの作品に近いでしょうか。
ビッグビート色が強いですが、ファットボーイスリムよりも変態的なところはさすがRichard D. Jamesと言えます。こうしたコラボレートを経てMike Paradinasもサンプリング処理が上達していきますので、この作品はかなり重要なものになっていると思います。まるで遊んでいるように見えますが、いろんなアイデアが炸裂しまくっており、サンプラーはこうして使うんだぞと言わんばかりの技術を垣間みれます。勿論先輩のプロミュージシャンが使うサンプラー処理とは違いますが、これの自由さこそが90年代テクノの神髄です。名盤です。