96年の作品です。今回は野球をテーマにしたコンセプトアルバムになっています。曲名も野球に関係するものです。しかし、曲を聴いて野球を連想するようなものではなく、いつものTB-303を使いまくっている
テクノになっています。最初の2枚の作品が衝撃的だったので、それに比べるとおとなしい感じですが、使う音源が増えていて、バリエーションも増えていますが、少しおとなしすぎるかもしれません。
1. Strikeout
2. Home Run
3. Double-Steal
4. Splitfinger Fastball
5. Beavis At Bat
6. Knuckle Skills
7. Pinch-Hitter
8. Line-Drive
さすがにTB-303とTR-909だけでは限界もありますので、それ以外の音源も少しばかり加えるようになっています。基本がベースラインとドラムパターンの組み合わせですから、ドラムンベースと同じように、曲の骨組みだけで曲にするというのも限界があります。それでも音をいじりまくる事で、ドラムとベースだけでも曲として成り立たせてしまうという、80年代のゴージャスサウンドに比べると考えられない世界ですが、それがクールであり、シンプルだからこそビートに専念出来るのです。
余分なものをそぎ落としながら、ベースが歌うようにフレージングされています。同じパターンの繰り返しをいくつか配置して、曲の抑揚はつけます。そしてトランス感覚から、やがて高揚していくのです。レゾナンスを必要以上に効かせて脳天に刺激を与えます。レイヴシーンでは、これだけの音で充分ハイになれるのです。ミニマルミュージックの不思議な事に、同じ事を繰り返す事で何かを暗示させる効果もあるようです。考えるよりも感じるという事でエクスタシーに達するのです。アシッドですねー。
Strikeout