

2008年の作品で、前作から9年ぶりとなるサードアルバムです。活動停止している間に、
音楽シーンも大きく変わっていますが、彼らは変わっていませんでした。相変わらずの絶望的で切ないほどのダークネス。もうこれしか出来ないというくらい彼らならではのスタイルですが、鋭利な質感が増して、凄みが出ています。世間の流れなどおかまい無しです。
1. Silence
2. Hunter
3. Nylon Smile
4. The Rip
5. Plastic
6. We Carry On
7. Deep Water
8. Machine Gun
9. Small
10. Magic Doors
11. Threads
フランスの場末のジャズバーの雑踏から始まるSilenceは、ロック的なサンプリングにより、ギターカッティングのサンプリング素材でリズムを刻み、ギターの音が充満して、これまでとは違う動的な刹那を感じさせます。さすがに充電していただけあって、昔よりもパワーアップしています。Beth Gibbonsの歌もむかしよりは年齢を重ねた声になっていますが、いつもながらのデリケートな情感を歌い上げています。
Machine Gun、The Rip、Magic Doorsがシングルカットされています。この作品が現在の最新盤であり、これ以降も新作が出るのかは不明ですが、まだまだ創作意欲は失われていないように感じます。サンプリングもいかにもサンプリング素材ですよと、わかるように、不自然なトリミングがなされていますが、リズム的であり、その不自然さがかっこ良かったりします。これも名盤です。
Silence