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[20061021]

The Flowers of Romance The Flowers of Romance
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PILの特徴的だったダヴ系のベースを弾いていたジャーウヴルが脱退した、というか止めさせられた後に発表された、ロック史上最大の問題作です。ベースが脱退したのに補充されたのはキーボードとパーカッション担当のジャネットリーでした。しかし彼女は実際ほとんど貢献しておりません。ベースがいない代わりにドラムのリズムがより追求された作品となっております。グルグルをご存知の方なら似ているといえば分かってもらえると思います。

1. Four Enclosed Walls
2. Track 8
3. Phenagen
4. Flowers of Romance
5. Under the House
6. Hymie's Him
7. Banging the Door
8. Go Back
9. Francis Massacre

アフリカンやファンクのリズムを取り入れたトーキングヘッズの音楽は踊れました。しかしこの作品はリズムを追求しながらも踊れない音楽なのです。踊れる音楽がヒットしている状態は現在も同じですが、踊らせない音楽が当時から私の中ではロックだったのです。私の音楽も踊らせる為の音楽ではない事が聴き取れると思います。その為今だにインディーな状態なのですが。

ベースも入っておりますが、効果音のような扱いです。逆回転やエフェクティヴな反メロディアスな楽器群。ボーカルの呪文性もお経の領域に達しております。ジョンライドン曰く、これは古代宗教音楽だという事ですが、古代にこの様な音楽があったかどうか解明出来ませんが、原始的な本能に近い形での踊る為のものではない、覚醒のようなリズムです。エレクトリッックマイルスが覚醒の為の音楽的オルガズムスを追求していたのと似ています。

ドラムの音はゲートリバーブがかかり、歯切れのいい歪んだ音になっており、当時の最先端の音を使っておりますが、やっている事はその遥かな先を行くものでした。これだけのバイブレーションを持つ作品を超えるものは今だに現れておりません。中東や中国風の音階も使われておりますが、実に無国籍な音楽です。うーんSAMARQANDの音楽のようだ。私の音楽はここま刹那的ではありませんが。この作品をまず超える事が先に進む手がかりだと思っています。ここで提示されている音楽は後のドラムンベースやドリルンベースにも通じているからです。

彼等のネタになっているような作品、そして影響を与えた作品など多くの音楽を聴きあさって来ましたが、それらの音楽を吸収しながらも、この音楽はこの時期のこのバンドでしか表現出来ないほど崇高なものであったというのが思い知らされるばかりです。ジョンライドンのような歌い方のルーツを探るとオノヨーコに行き当たります。オノヨーコ以前にこのような歌い方をする人間はおりませんでした、ジョンレノンとフリージャズのようなセッションをしていた時期の音楽性も似ています。それに影響を受けたノイに影響されたというのがながれでしょうか。ロックの既成概念を覆した事は確かな事です。

PILというバンドにとっては前作のメタルボックスが最高傑作とするならば、音楽史上最大の問題作、傑作としてこのアルバムはマイルスのビッチェズブリューに匹敵する名盤なのであります。踊れないリズムでもこれだけカッコいいのだと分かって頂きたい。ロックの初期衝動への回帰はこの様な形で答えを導いてきたのです。この後もPILのアルバムは発表されておりますが、ジョンライドンのソロ的な内容の為、ゲストミュージシャンを起用したりしております。バンドとしては初期の3枚までが重要なので、とりあえず紹介はここまでとします。気が向いたら後の作品も紹介していきます。

Flowers of Romance
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