

81年の作品で、デジタルシンセも使うようになって、サウンド更に軽薄になってしまった作品です。いきなりマイケルのスリラーに出てくるようなサンプリング音が出てきた時には拍子抜けしてしまいます。サンプラーと言っても彼らがこの時使っているのはSynclavierです。Synclavierはサンプラーだけではなく、ワークステーション的なスーパーシンセであり、複数のトラックシシーケンスを管理出来る、今でいうDTMと変わらない性能を持っていたシンセで、当時は高級外車が買えるほどの値段だったはずです。
1. Kiew Mission
2. Pilots Of Purple Twilight
3. Choronzon
4. Exit
5. Network 23
6. Remote Viewing
ドラムマシーンにRoland TR-808を使用していたり、あたらしいデジタル機器を手にしています。それで爽やかな曲を演奏すれば、昔の幻想的な雰囲気はそれこそ幻ーになっています。デジタルシンセの出始めは、音が奇麗で、アナログシンセみたいに不安定さが無くなり、プリセットも豊富で使い易かった頃から、多くのプロミュージシャンも使用していましたが、そこに落とし穴があり、音が奇麗な分、太さやアタック感にかけていたりして、昔のアナログシンセの個性的な音色が失われている事です。
均一化された音色といいますか、プロが弾いても、アマチュアが弾いても大差ないサウンドであるため、プロとして、その音はどうなんだ。という疑問がリスナーに芽生えてきます。最初から完成された音でありますが、プロなら、もう少し工夫したらどうなんだという思いになります。昔は差別化を計る為に、独自工夫をこらしてこそ、流石プロミュージシャンと唸っていたのに、そういう努力をする気持ちを萎えさせるような魔法がかかっていたのです。それは90年代になって解決するのでいいのですが、そんな工夫の無い作品でありますし、曲が短い分、単なるポップアルバムになってしまっています。
Kiew Mission
Pilots Of Purple Twilight
Choronzon
Exit
Network 23
Remote Viewing
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