

クラスターのDieter Moebius、そしてプロデューサーでもあるConny Plank とGuru GuruのMani Neumeierの三人によるコラボレート作品です。企画ものの作品でもあるにもかかわらず、その内容から最重要作品に位置づけられています。83年の作品でありますが、既に90年代の
テクノを予感させる電子音、Mani Neumeierによるアフリカンなドラミングは縦横無尽に駆け巡り、まるでドラムンベースのようです。
1. Speed display
2. Load
3. Pitch Control
4. All repro
5. Recall
6. Search Zero
それぞれのグループでは元祖的な存在でありましたが、この三人が化学変化を起こせば既に未来のサウンドを生み出しているのです。とても82年に録音されたものとは思えません。90年代のハード
テクノそのものであり、ドラミングがアフリカンな分だけアグレッシヴで90年代の作品だとしても、かなり斬新な内容になっています。80年代にこれだけのサウンドを創りだしていたものは他にはいません。それだけに、ただの企画ものでは追われないアルバムなのです。
RecallではDeukaという人がエスニックな歌を歌っていますが、それ以外はインストです。シンセによるシーケンスも80年代のそれとは明らかに違います。ノンリバーブに近い処理も80年代初期には考えられないようなものです。90年代
テクノの猛者達が教則本として参考にしたのは明白です。ドラムが生ドラムなので、グルーヴもかっこいいです。90年代
テクノでも太刀打ち出来ないくらいのポテンシャルです。歴史的な名盤です。
Speed display