76年のアルバムで、彼らのその後のスタイルを確立させた代表作になっています。タイトル曲はアナログ盤のA面全てを使った組曲形式で、シンセサイザーも初登場しています。まだ効果音としてしか使っていませんが、スペシーな雰囲気を出す事に成功しています。ツェッペリンやレインボーの初期の作品もこれくらい
プログレ ッシヴだったので、ハードロックとしても成り立っています。
1. '2112': I: Overture/II: The Temples Of Syrinx/III: Discovery/IV: Presentation/V: Oracle: The Dream/VI. Soliloquy/VII. Grand Finale
2. A Passage To Bangkok
3. The Twilight Zone
4. Lessons
5. Tears
6. Something For Nothing
あくまでもギタースリーピースバンドとしての演奏に徹していて、組曲の中にはまるでデモテープのような無造作なギターも収められていて、この辺の感覚はよく分かりません。単なるギターチューニングをしているだけのような音まで入っています。それでも前後の雄大な構成の中の一部として聴かせていますので、あれっ、と思っているうちに曲が進んでいきます。この素人臭さがいまいちビッグに慣れなかった要因でもあるかもしれませんが。他の演奏は凄まじく素晴らしいです。
ラフなミキシングのパターンときっちりゴージャスにミキシングされたパターンを交互に持ってきて、ハードロックと
プログレ のどちらのカラーも出していてユニークです。ただ、このバンド、どんなに複雑な演奏をしていてもほとんどメジャーとマイナーコードしか使っていません。クラシカルといえばそれまでですが、たまにm7の響きもありますが、曲自体はかなりシンプルです。ですから
音楽 としては奥行きが感じられません。つまりハードロックとして演奏しているのであって、彼ら自身は
プログレ バンドであろうとはしていないのではないかと推測されます。それでもこれだけの作品を創ってしまうのですから恐れ入ります。名盤です。
2112
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