77年の作品で、完全に
プログレ化したアルバムになります。変拍子、シンセサイザーの多用、ストーリー展開をもった構成、三人だけの演奏ですが、メンバーそれぞれが複数の楽器を兼用する事で大人数のバンドに引けを取らない作品に仕上げています。ギターもハードロック的なリフよりも時にマイルドに、時に透明感のあるボリューム奏法を行うなど、完全に
プログレバンドとしての認識のもと作品は創られています。
1. A Farewell To Kings
2. Xanadu
3. Closer To The Heart
4. Cinderella Man
5. Madrigal
6. Cygnus X-1
歌詞もより文学的になっています。どこかで聞いた事があるようなタイトルばかりですので、分かり易い内容のものになっています。この時期は既にパンクが勢いをつけている時で、元祖
プログレバンドは瀕死の状態でした。そんな中、遅ればせながらやっと
プログレバンドとなったラッシュですが、カナダ、アメリカでは
プログレは根付いていませんでしたので、独自のスタンスを持って活動していきます。
中世的なアコースティックギターなど、彼らの作品の中でも一番ブリティッシュっぽさが出ていますが、カナダ、アメリカ大陸で活動している訳ですから、いつまでもブリティッシュらしさは保てませんが、三人でまるで五人組のイエスのようなシンフォニックなサウンドを実現しています。バンドとしての人気も更に上昇していきます。アメリカ大陸でも
プログレが通用する事を証明してみせたのです。名盤です。
A Farewell To Kings