

75年の作品で、再びブライアンイーノとのコラボレートアルバムになっています。緩やかなループ、ミニマルの本格的なアンビエント作品になっています。前作は実験性が強かったからこその面白さがありましたが、ここでは具体的に計算された音響が構築されています。ブライアンイーノが提唱する環境
音楽に近いものになっています。
1. Wind On Water
2. Evening Star
3. Evensong
4. Wind On Wind
5. An Index Of Metals
フィリップのギターはほとんどフロントピックアップで創られていて、モジュレイターに近いフェイジングで音の頭をつぶしたようなサウンドになっています。これを再現するには市販のものではフェイザーよりもモジュレイターの方が適しています。しかし、当時モジュレイターなるものが存在していたのかは定かではありません。恐らく無かったでしょう。かなり改造されたフェイザーを持っていたのだと予測されます。
イーノシンセサイザーは穏やかな音色を選んでいます。それだけだったらきっと眠くなるはずですが、フィリップ卿のギターが異常なくらいに特別な音を発しているので、最後まで飽きる事無く聴き通せます。ドイツのスタイルに近づきたいイーノとそこから独自のアイデアに持ち込みフィリップの化学反応がいい形で作品になっていると思います。名盤です。
Wind On Water