

2011年の作品です。クリムゾンを始動する前にProjekctというフォーマットでライブを重ねて曲の構想を練っていましたが、これはクリムゾンが活動停止した状態でのプロジェクトであり、King Crimson Projekctと呼んでいます。しかし、クリムゾンの正式なアルバムではありません。あくまでも派生的なプロジェクトなのです。
1. A Scarcity of Miracles
2. The Price We Pay
3. Secrets
4. This House
5. The Other Man
6. The Light of Day
後期クリムゾンはダブルカルテットでそのメンバーのなかで組み分けてProjekctシリーズでしっくりくる感じを試していました、ここではギターにJakko JakszykとRobert Fripp、サックスのMel Collinsの三人が正式なメンバーで、サポートとしてベースとスティックのTony Levin、ドラム、パーカションのGavin Harrisonで構成されています。このメンバーならクリムゾンを名乗ってもいいでしょうが、あくまでも試作的な作品なのでProjekctシリーズの一つになっています。しかし、現在フリップはクリムゾンとして活動する事はもう無いと宣言しているので、この試作が実る事はありませんでした。
音楽的にもクリムゾンらしからぬスタイルで、ソロでやっていたアンビエントな部分とまるでフュージョンバンドのような卓越した
音楽になっています。進化し続けるクリムゾンは同窓会的な再結成する事も無く、常に現役として作品をリリースしてきました。メンバーは元々演奏が達者な人達ばかりでしたが、それ更なる円熟味を増した演奏を展開、あまりにも演奏が巧いので面白みがありません。だからこそクリムゾンとしては活動を停止してしまったのでしょう。こんな大人な
音楽では、もたらされるのは安定のみ、そういう判断なのだと思います。それでも素晴らしい
音楽であり、クリムゾンとは別の素晴らしい大人の
音楽になっています。名盤です。
A Scarcity of Miracles