

86年の作品で、ピアノだけによるニューエイジミュージックになっています。80年代のデジタルシンセの洪水に辟易していた頃にタイミング良くリリースされました。指の力が強いイメージのリックウェイクマンが、柔らかで優しいタッチも出来る事を証明してみせました。小川がせせらぐような流れるようなピアノのアルペジオ、環境音楽とは違った意味での自然環境を表現した作品です。
1. Dandelion Dreams
2. Stepping Stones
3. Ducks And Drakes
4. Morning Haze
5. Waterfalls
6. Quiet Valleys
7. Nature Trails
8. Heather Carpets
9. Lakeland Walks
10. Wilds Moors
当時はバブルの頃でもありましたが、その狂乱の中で癒し系と言う言葉も生まれました。せわしない毎日に誰もが癒しを求めていたのです。イージーリスニングではなく、癒しをもたらす音楽。ショパンほど悲しくもなく、リストほどせわしなくもなく、程よい感じのピアノ曲。これも又時代が求めていた音楽だったのです。
聴いていて邪魔にもならず、かといって簡単に聴き流すほどでもなく、退屈する事はありません。穏やかな小川のほとりを歩いているかのようなマイナスイオンが発生しているかのような音楽。ジョンアンダーソンも感銘を受けるほど、それまでのリックの音楽とは違っていますが、ピアニストであるリックウェイクマンにしか創れない音楽でもあります。静かなる名盤です。
Dandelion Dreams