

77年の作品です。アルバムジャケットとしては一番有名なアルバムではないでしょうか。全編シンセサイザーの多重録音によるヴァンゲリスのマルチプレイヤーぶりが発揮された作品で、一番ヴァンゲリスと言うミュージシャンのイメージに近いものだと思います。シンセによる壮大なシンフォニックロック。アナログシンセのシーケンスを使いながらもアグレッシヴなリズムの作り方など、おりこうさんではいられないところが素敵です。
1. Spiral
2. Ballad
3. Dervish D.
4. To The Unknown Man
5. 3 + 3
交響曲をシンセサイザーで演奏すると言う事は、それまでに多くのミュージシャンが試みています。ですから、方法論としては珍しくないのですが、随所にドイツテクノの無機質な要素とアヴァンギャルドで暴れん坊だったヴァンゲリスのやんちゃぶりも押さえられる事なく発揮されています。ですからロックファンにも充分楽しめるシンセロックになっています。
環境
音楽のような生易しいものではありません。タンジェリンドリームやイーノと同じつもりで聴くと火傷をします。それくらい躍動的ですし、次々に矢継ぎ早にアイデアを昇華させながら物語が進んでいきます。たった一人でイエスの危機に匹敵するくらいの情報量を持った作品を創っています。既にポリフォニックなシンセ音も確認出来ます。ファンの間では評価の高い作品ですが、世間的にはまだ評価が足りなくらいの大名盤だと思います。
Spiral