78年の作品です。シンセによる音色も豊かになって、シンフォニックな作品を出していましたが、更にシンセが進化するに従って、旋律ありきの
音楽ではなく、シンセの音色から発想される
音楽をつりまとめたのがこの作品になります。ですからほとんどインプロヴィゼーションのような内容になっています。ジョージハリソンの電子
音楽の世界みたいに、ただ買ってきたシンセを適当に弾いたものを録音したものではなく、音色をかなりいじくり倒して出来ています。
1. Beaubourg, Part I
2. Beaubourg, Part II
90年代に隆光するテクノのようなサウンドを既にこの時代に発想させています。まだプログラミング出来るタイプのシンセはほとんどなく、つまみをいじって、そのつまみの位置を憶えていないと、二度と同じような音が出せないと言うアナログシンセを即興でいじくりまくって音を出しています。ですからある程度の予測は出来ても、次にどんな音が飛び出すか分からないような一触即発的な演奏を録音したものだと思われます。
シンセによるコンクリートミュージックです。フィルターやレゾナンスのつまみをいじくりまわすだけでも相当な音色の変化を得られます。ディレイやエコー、リバーブなどの処理は録音後にあしらわれたものでしょうが、この機械的な、シンセらしい音色だけで作品にするという発想自体も、当時はかなり斬新なものであります。ドイツでは環境
音楽的なものが創られていましたが、これは、そんなゆるいものではありません。ランダムに出てくる音色によって優しくなったり、激しくなったり、いろんな表情が出てくるから退屈する事もありません。かなり心して聴かないと命にかかわります。
Beaubourg
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