

79年の作品で、中国を題材にした作品です。ジャケットには台湾語で中国と書かれています。古い漢字ですね。日本も明治の頃はこの漢字を使っていました。BeaubourgでのテクノサウンドプラスSpiralでのシンフォニックなスタイルが融合したような内容になっていて、それで中国を表現しています。JAPANnブリキの太鼓みたいな感覚です。あくまでもヨーロッパ人が想像する共産国中国のイメージです。
1. Chung Kuo
2. The Long March
3. The Dragon
4. The Plum Blossom
5. The Tao Of Love
6. The Little Fete
7. Yin & Yang
8. Himalaya
9. Summit
海外とも友好するようになった中国でしたが、文化大革命のような負のイメージが強く、そしてソビエトの共産イメージともダブってヨーロッパ人には映っていたはずです。そんなイメージが伝わってくる作品です。シンセサイザーで中国を表現しようという発想自体がユニークであり、クォーター音などはピッチッベントで表現しています。中国音階、アジアの音階と混ぜこぜですが、中国だと認識してしまうところが、私にもあります。
琴は元々中国の楽器ですから、それは日本のイメージとダブっているのではありません。ですが、実際の中国でこんな
音楽が存在するものではありません。あくまでもヨーロッパ人が創った中国のイメージですから、ロック作品として成り立つのです。エスニック好きのヴァンゲリスが辿り着いた先がアジアの中国だったというのも興味深いものです。
音楽的にもかなりの名盤です。
Chung Kuo