90年の作品で、都会の一日を描いたコンセプトアルバムになっています。ローマなどでレコーディングされていますが、朝が始まるとジャズのスウィングが始まるので、イメージとしてはニューヨークでしょうか。シンセサイザーによるヒーリングミュージックな要素も感じられますが、ヴァンゲリスの場合はそれだけに留まらず起伏の激しいメリハリのある叙情詩に仕上げています。
1. Dawn
2. Morning Papers
3. Nerve Centre
4. Side Streets
5. Good To See You
6. Twilight
7. Red Lights
8. Procession
サンプリングを使うようになってからは80年代サウンドと同じような音も使いますが、あくまでも手段の一つとして利用しているだけなので、基本的な発想は
プログレ の組曲的な構造になっていると思います。都会の一日なんてありきたりな題材ですが、そのイメージから発せられる
音楽 は説得力のあるものになっています。コーラスパートもサンプリングやボイスサウンドで代用して80年代らしいものになっています。しかし80年代ポップとは異質な作品です。
80年代に進化してきたテクノロジーを駆使して壮大な交響曲を生み出しています。
プログレ を担ってきたキーボードプレイヤーがつまらない作品しか発想できなくなってきているこの時期に、
プログレ 黄金期以上のイマジネーションを持って生み出されています。この人はヒット作品も創ってきましたが、一環してアナーキーな根底がぶれる事がありません。常に心を揺さぶる情念をもって
音楽 を創っています。名盤です。
Dawn
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