

続きましてはJAPANの顔ともいうべきデヴィッドシルヴィアンです。84年のファーストソロアルバムです。Steve Nyeをプロデューサーに迎えて、80年代のホワイト
ファンクを独自の美学で奏でています。彼が一番競演したかったHolger Czukayも参加しています。JAPANのファーストアルバムは見事な
ファンクロックの名盤でした。ここではそれをアコースティックでアダルトな雰囲気でダンディズムで東欧のモノクロ映画のような質感に仕上げています。
1. Pulling Punches
2. The Ink In The Well
3. Nostalgia
4. Red Guitar
5. Weathered Wall
6. Backwaters
7. Brilliant Trees
ドラムは実弟のSteve Jansen、なぜか名字が違いますが、イケメン兄弟です。キーボードも元JAPANのRichard Barbieri、ベースがWayne BraithwaiteとDanny Thompson、イケナイ関係だった坂本龍一も参加しています。Red GuitarはモノクロのPVで体を土に埋められたシルヴィアンが印象的でした。JAPANの後期から彼の書く詩は自信の内面の葛藤を描いたもので、イケメンなのにこの苦悩の激しさは何なんだと思っていました。矢野顕子のセッションに参加したシルヴィアンの印象派暗い奴でした。その後デヴィッドと言う曲を彼の為に創っています。
彼は名前と歌い方からデヴィッドボウイの影響があるのかと思いきや、どちらかと言うとブライアンフェリーをアイドルとしています。Nostalgiaはタルコフスキーの映画からインスピレーションを受けています。JAPANの曲の帆トンを手がけていましたので、JAPANのブレインであり、その創作意欲はソロになってからも止む事はありません。ですから他のメンバーに比べてもソロになってからのテーマがいつも明確になっています。ブラックコンテンポラリーとヨーロッパのデカダンが融合した見事な名盤です。
Pulling Punches