このバンドはサードアルバムの製作中に仲違いをして解散していましたが、その幻のサードアルバムが未発表曲も含めて90年にリリースされました。これをもって3枚のアルバムを残したと言う事になります。Julian Copeのファーストソロアルバムとかぶる曲もありますが、こちらではバンドの演奏として聴く事が出来ます。
1. Ouch Monkeys
2. Serious Danger
3. Metranil Vavin
4. Count to Ten and Run for Cover
5. In-Psychlopaedia
6. Soft Enough for You
7. You Disappear From View
8. Challenger
9. Not My Only Friend
10. Sex (Pussyface)
11. Terrorist
12. Strange House in the Snow
13. Christ Venus Warhol
よりアレンジに凝っていた事が分かります。リズムボックスやシンセなどの多用はニューウェイヴバンドにしてはかなり凝ったサウンドになっています。ポストパンクバンド、ネオサイケバンドなどがまだ出てきていない時に作っている曲なので、こうした凝ったアレンジは物議の議題に上がる要因だった事でしょう。ソロになってそのポップ感覚の才が開花していくJulian Copeにとっては窮屈であり、そうなり始めたサウンドに対して他のメンバーと意見がぶつかりあうのも想像がつきます。
テクノの要素も多く、まるでジョイディヴィジョンみたいだし、これが当時リリースされていればきっと話題作になっていた事でしょう。そうすれば日本でも知られるようになっていたはずです。しかしバンド自体がこれをリリースするまで保ちませんでした。それにしてはかなりシリアスな内容で、Julian Copeの歌はより内省的になっています。ロックの歴史に名を残すくらいの出来映えですので、これが長く陽の目を見なかったのはもったいない限りです。名盤です。
Ouch Monkeys