サントラ盤マイクスマーダーをはさんで発表された作品で,当時のスタイルカウンシルの登場でソウルミュージックへのリスペクトを表明するミュージシャンが続出します。コステロのグッバイクルエルワールドと時を同じくして発表され、You Can't Get What You Wantでソウルミュージックへの敬愛の意を表しました。ジャケットはソニーロリンズの作品をパロディー化したジョーらしいユーモアに溢れ、よりジャズへの愛情を示しています。
1. Verdict 2. Cha Cha Loco 3. Not Here, Not Now 4. You Can't Get What You Want (Till You Know What You Want) 5. Go for It 6. Loisaida 7. Happy Ending 8. Be My Number Two 9. Heart of Ice
内容的には名作Night & Dayに近く、ラテンのリズムも入れながら、より壮大なスケールで創られています。女性シンガーイレイン キャズウェルトノデュエット曲Happy EndingやYou Can't Get What You Wantのヒットに加え、Verdictが日本のCMで使われたりして、内容の濃い作品になっています。Night & Dayと双璧を成す名盤です。
金管の使い方も独特で、ジョーならではの新しい解釈のジャズが展開されていると思って下さい。既存のジャズではありません。かといってAORでもないのです。そういう意味で一番芸術性の高いアルバムとなっています。ポップ性ではNight & Dayにはかないませんが、親しみ易い曲ばかりです。当時の流行のファンク色のあるソウルミュージックも見事にこなす器用さも魅せつけています。Go for Itもモータウン的で楽しい曲になっています。
Be My Number Twoのようなピアノバラードでも泣かせてくれますし、Loisaidaはフュージュンとしても完成度の高い曲になっています。ジョージャクソンがこれまで隠し持っていた音楽性と、新しく吸収した音楽性がぶつかり合い、幸福な結合を見せた素晴らしい名盤となっています。良質な音楽を探している方にはお勧めの名作です。